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国連活動UN WOMENも始動  災害支援にジェンダーの視点を

選挙期間中も完全に離れていたわけではありませんが、

たまっていた国連の仕事も一気にドバっと始まりました。

今回の東北・関東大震災の支援について、

ミチェレ・バチェレUN WOMEN事務局長(前チリ大統領)との

緊急声明のやりとりを選挙中に行い、

マスコミなどの報道にはなっていませんが、

確実にUN WOMENの支援が行われ始めています。


今朝メールをチェックしていると

真夜中にNew York本部からのメール。

今度の日曜日に堺にニューヨーク本部から

トンがやってくるそうです。

こちらから返信しておくと、日中に携帯に電話まで。

時差から考えると夜を徹して仕事をしているんだな・・。


その直後には日本の国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウの

伊藤事務局長から問い合わせのメール。

いわゆるこのような大災害の時の支援の内容について

アドボカシーとオペレーションの両方が必要なわけですが、

つまり理念や啓発、と具体的行動の実施について

女性の視点からの支援に焦点を当てるわけです。


要は、災害支援について、

ジェンダーの視点を盛り込んだ支援を

どのように行うかということです。


私は堺市女性団体のボランティア活動の中で、

17年前の阪神・淡路大震災の時にも、

翌日救援物資を買いに走りましたが、

すでにその時、水や毛布の他に赤ちゃんのミルクや下着、

紙おむつ、女性の生理用品を重点的に送りました。

この時の私たちの救援物資の内容は、

現在の内閣府の防災計画の中でも、きちんと盛り込まれています。

阪神大震災後、神戸ではウィメンズネット神戸という

女性中心のグループが発足し、震災発生時の避難、

また震災後の避難生活、さらに町の復興やそこに生きる人々が

立ち直れるようになるまでの道筋の中で、

どのような問題や課題があったのか、

今後それをどうしていくのがよいのかを

女性たちの視点から検討し、

世に様々なことを訴えてこられました。


堺になんどもお招きして、

講演と学習会をしていただいた経緯があります。

メディアにはまったく取り上げられなかったことの一つに、

私がショックだったのは、

避難生活が数か月にわたり長引いてくると、

昼間は仕事に復帰する人たちが増え、

避難所に残される人が少ないとき、

あるいは夜など避難所の外で強姦された女性が

少なからずいたということです。

避難所の安全性の確保、トイレの別、更衣室などは、

その時にはほとんどの人が気づかなかったことでした。

大切な家族や家も何もかも失うという絶望と悲しみの中で、

避難所は劣悪な環境であり、衛生状態も悪く、

なにより殺気立つほどの疲労と不安と緊張と・・。

だれもが身体的、精神的に極度のストレスを抱えている中で、

事件が起こってしまう。


このような阪神大震災の教訓と反省は、

すでに日本政府の防災計画の中でそうならないように

一部は改善されていますがすべてではありません。


UN WOMENはその改善されていないところを、

今後日本政府や、日本国内の災害支援のNGO

人権NGOと協議検討しながら、支援をすすめるのです。


UN WOMEN日本事務所は

堺市の女性センターの中に設置されているアジア初

世界で4番目の国連直轄のリエゾンオフィスです。

身近にあるこの国連事務所を通じて、

これからも被災地の方々が必要とする支援を

行っていくことができます。

精一杯支援しましょう。