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実は  7月22日

南アフリカ共和国の大使館とはもう長いお付き合いです。

きっかけは女性団体の国際女性平和フォーラムに、

初めて3代前の南ア駐日大使をお招きして

平和についてのご講演をお願いしたところです。

 

もっと深いきっかけは「ちびくろサンボ」の運動です。

この運動は堺市の人権協から始まりました。

 

当然、人権問題ですので堺市女性団体も運動しました。

その時に出会ったのが、南ア出身のトーマス・カンサさん。

 

カンサさんは、詩人であり英語教師。

日本で暮らしながら、

南アの子どもたちに文具用品や本などを集めて送ったり、

最近では車いすを集めて送ったりなさっています。

そのことにも協力してきました。

 

カンサさんが、

「今度の南アの大使は素晴らしい」とおっしゃっていたのが、

3代前のングバネ大使です。

現在は、

南アのSABC(サウス・アフリカ・ブロード・キャスト)の

総裁です。

日本でいうと、NHKですね。

 

ングバネ大使は、

小児科医で、大臣経験者でいらっしゃいました。

とても優しい方です。

本国に帰られてから、

日本の旭日大受章を天皇陛下から拝受されました。

 

ときどき日本に来られています。

ズマ大統領とも、とても仲の良いご関係です。

 

もう一つは堺の博物館にある南蛮屏風。

この絵の中に、一人の黒人男性が描かれています。

この人の日本名は「弥助」。

日本に初めて入国した黒人であるといわれています。

この人の出身地は、南アフリカのケープタウン。

 

南アフリカと堺は、実はこの時からの交流なのです。

 

毎日、堺のため、堺のためと思って、考えて生きていると、

出会うべくして出会うんですね。

 

経済を少し勉強すると、

早くから次の再成長国は南アフリカ、と読めました。

もう今から、中国、インドというのは遅いと気が付いたのが、

7年前です。

 

堺は何が売り物になるか。

ものづくりの技術です。

それこそマイスターシティー。

南アはどうか。

マイスターが必要とする資源をたくさん持っています。

さらに南アは技術の指導者、

また、国民とりわけ子どもたちの教育に

算数の先生が必要であるとはっきりおっしゃっています。

 

堺市という一つの都市が、

南アフリカ共和国という一つの国を相手に

渡り合うことが本当に大それたことであり、

夢のまた夢かもしれないと最初は思いましたが、

今は、やればできると思います。

またやればできるじゃなくて、

堺のためにはやるべきことだと確信しています。

 

中国やインド、EUなどは、

すでに国家戦略として南アフリカと渡り合っている、

というより、

明確な相互の経済戦略として南アに群がっています。

 

今の日本政府の外交力で、

そんなことができるでしょうか。

ソーラーシステムなど、

国家戦略としてどこの国もしのぎを削っていますよ。

日本はどうよ、というところでしょ。

 

この状況は、

少々政権が代わっても、

よほどの人材が輩出されてこない限り、

今よりもっとひどくなる可能性は大だと。

 

すでにどこの国がこんな政府を真剣に相手にし、

真剣に取り合ってくれるでしょうか。

総理大臣が1年交代、原発の事故処理すらできない。

 

なら着々と、堺市がやればいいのです。

やれる人間がいるところが、真剣にやるしかないです。

だめもとでも、やる値打ちは十分あります。

 

それが堺の都市力。

都市力というのは

市民力、行政力、企業力、教育力なのですから。

簡単に言えば、堺に生きて、

堺で仕事をしている人たちの総力が都市力なのです。

 

持続可能な都市の発展のためには、

今まで積み上げてきたものを開花させていかないと。

この堺の古墳群。

 

なにゆえに堺にはこれほどの古墳群があるのでしょうか。

 

まず気候がよく、土もよく、交流の拠点たる条件が

古代から整っていたのですよ、きっと。

 

南アフリカは遠くないのです。

弥助さんがきていました。

堺の土をあの時代に踏んでくれていたのです。

 

市民の福祉向上や、子どもたちの教育の充実や、

医療の先進都市になるためには一定のお金が要ります。

 

この狭い日本で、

金がない、仕事がないとぼやいていたって、

何が変わる、というもんです。

どこかの外務副大臣が言ってました。

 

「山口先生、日本のこんな不況下に、

外国や国連への予算措置なんて認められませんよ、

国民が納得しないですよ。

ぼくら、どれだけ中小企業の経営者から

責められてると思っているんですか」と。

 

ちがうやろ、

この硬直化した、

 疲弊化している経済を打破するために外へ向き、

WINWINの関係性を築き、

相互に成長を図っていくのが、あなたの役目やろ、

と申し上げておきました。

 

こんな調子の方々が、

政治を牛耳っていると、何回消費税を上げても、

絶対に社会保障や福祉にお金は回ってきませんね。

 

中世の堺は、やってのけていましたね。

政治の悪いところで、経済だけがよくなるはずはなく、

文化の成熟のためには教育と鍛錬が必要で、

その原点には、

其処に生きる人々の真剣な自由と平和の希求がないと。

 

21世紀の堺は、

かつての武器ではなく、

人類の生活を豊かにさせる

さまざまなマイスターが生み出す新しい英知と

伝統的技術が融合された、

素晴らしいものを生み出す力があると思いますね。

 

南アフリカ共和国が持っているもの。

それは豊かな資源だけではありません。

 

人権に敏感です。

あのガンジーが人権を学びに行ったという国です。

長いアパルトヘイトという人種隔離政策を乗り越え、

500を超える民族が生きる国。

学ぶことがたくさんあります。

 

私にとっては、

堺が内蔵しているパワーを発揮するためには、

このくらいの国と一緒にやれたらいいなと

普通に思うわけです。

 

堺の持続発展の地盤固めのための、

一つの政策だと考えています。