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強姦という性暴力について 8月28日

今回、22歳の俳優が強姦致傷罪で逮捕された。
いかなる理由も背景も情状酌量の余地はない。

しかしテレビ、週刊誌等の本件に関する報道は、
想定通りの下衆さであり、日本社会独特の、
相変わらず加害者の母親が引っ張り出され、
リンチのような暴力的な質問を浴びせ、何度も謝罪を強要する。

 

 

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芸能人の母子だから、有名税だとでもいうのだろうか。
明らかな人権侵害がテレビで公然とおこなわれた。
そして、常に父親の責任は不在だ。
死別ならともかく、離婚で母親が育てたとしても、また夫婦が揃っていても、
問われない父親の責任。

現実に今、強姦や婦女暴行、痴漢、ストーカー、強制わいせつ、
公然わいせつ、ポルノ、売買春、児童ポルノなどという性暴力が
蔓延している中で、メディアが報道しなければならないことは、何か?

大手のスポンサー企業などが、裏で擬似児童ポルノサイトやAVサイトの
製造垂れ流しで、莫大な利益を得ていることには、全く触れず、
この母子を叩き込む。

ならば少なくとも、全ての強姦の加害者を公表し、
同じように報道すべきだし、何より被害者の女性や家族などに、
もっと配慮すべきだ。

性暴力事件の報道の視点を間違えてはならない。

芸能界だけを見ても、未成年を買春したことのある連中など、
未だにのうのうとテレビに出演している。

今回、テレビの報道とは裏腹に、facebookやTwitterなどのSNS上でまっとうな意見が大量に発信されていることは、救いであった。

加害者の母親に、息子の性癖を問うたアナウンサーが、批判され、謝罪した。これが他の先進国なら、謝罪では済まないだろう。

今、私たちがしなければならないことは、性暴力を許さないという
強い意志を示すことであり、性暴力を生み出すポルノグラフィーや漫画、
サイトについて、その実態を把握し、見て見ぬふりをせず、
冷静に対処することである。

また性暴力の被害者が、どんな健康被害やその後苦しい人生を
強いられるかをも、知っておく必要があるし、
被害者の社会復帰を支援することが大切である。

犯罪加害者の更生や社会復帰も当然ではあるが、
それは被害者の目に触れないところで、というのが鉄則。
そうでなければ、被害者は立ち直れない。

被害者保護の視点からも、面白半分に、いじめのような報道は控えるべきだ。

また私たちは、こんな報道には乗せられないこと。

息子たちと話しあった。息子たちが学校や社会では学べないこと、
道徳の授業では教えきれない性暴力の問題は、なぜあかんのかを
人権の視点から教える。
わかっているだろうか。
巷にあふれるソープランド、スマホで簡単に買えるセックスの相手。
この誘惑に、息子たちは、対処できるのか。

強姦は犯罪だが、お金を払って女性を買うなら、強姦事件も減るんじゃない?という社会の風潮。

見直すべきは、男性の性の有り様。
そして女性の人権。
女性の性は、モノじゃない。ましてや男性の性のはけ口ではないのだ。

いかなる性暴力も許されない。許してはならない。
もっと教育と啓発を。

報道にジェンダー平等の視点を。