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教育の本分 10月12日 議会報告

昨日の夕方、

橋下知事が提案している教育基本条例の勉強会を、

ソレイユ堺でおこないました。

教育基本条例というより、

教員懲戒条例という印象がありました。

基本的にはこの条例の中に「子ども」がみえてこない。
いわば「教育の本分」が見えてこない。

子どもたちへの教育をしっかりと行うために、

先生しっかりしてよ、という気持ちはわかりますが、

「取締り」だけでは教育は向上しないのでは?

だから先生方もこの条例に対峙するだけではなく、

しっかりと教育現場から今の子どもたちにどんな教育を行うか、

そのためにはどのように制度を変えて行かなければならないかということをもっとアピールする必要があると思うのです。

私はこの8月議会の文教委員会でも強く訴えましたが、

堺市や大阪府の子どもたちの学力が全国的に見ても低い。
たとえば、小中学校の義務教育期間を終了するときに、

学力、体力、知力が通過率30%以下の子どもが、

そのまま卒業します。

 

私は、ここが一番重要だと考えます。 

先生方に課せられている「教育の本分」はここです。

通過率、つまり100点満点で30点以下の

学力、体力、知力では中学卒業後、自立できません。
これを少なくとも80%以上の力をつけて、

子どもたちを高校や社会に送り出すことが

「教育の本分」ではないのでしょうか。

学校教育本体の強化のための教員の資質や

技術向上を図ることが何よりも重要です。
フィンランドなどでは幼稚園の教員になるにも

最低、大学院の修士、マスターの資格が必要です。

教員の仕事は「授業」の内容と教え方。

「授業」の準備に懸命に取り組みます。

だから日本の授業時間よりもはるかに少ない時間数であっても、

子どもの学力は世界一。


お隣の韓国や、中国などでも子どもたちがどれほどの勉強をしているか。
基礎学力については、各国が徹底的に力を入れていますし、

その上の外国語やIT教育もおざなりではありません。

芸術や音楽、スポーツの得意な子どもたちには、その道も開いています。
子どもに応じた教育の選択肢の多様性は日本とは比較になりません。
しかも単なるエリート教育ではないのです。

UN WOMENなど私は国際的な活動を通じて、

いろんな国の女性と子ども、

またそれぞれの教育政策を見てきましたが、

残念ながら日本は人権教育も含めて先進30か国の中では、

年ごとにランクが下がってきています。

国際競争に勝つための人間を育てることが目的ではありません。
子どもたち自身が、

この社会で人間としてきちんと自尊感情を持ち、

他人をも尊重しながら、

自信をもってどんな国の誰とでも付き合うことができる、

きちんと親から独立して、自分で働いて自立していける、

学校教育法でいう「人格の形成」とはこういうことだと考えます。

ただここで、

病気や障がいにより働きたくても働けない子どもたち、

特別支援教育が必要な子どもたちのことを放置してはなりません。

この子どもたちも含めてしっかりとした教育体制が必要ですし、

力とやる気のある先生が必要です。

昨日の勉強会で、

あらためてこの論争の突破口は「対案」ではなくて、

新たなる教育政策の立案であると痛感しました。