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戦争と平和 6月5日

高裁で松井知事吉村市長、最高裁で松井市長吉村知事が負ける〜ピースおおさか訴訟 大阪府市の敗訴確定(相澤冬樹) - Yahoo!ニュース

 

ピース大阪の展示内容の変更に関する情報公開についての判決。

この報道を知った時、私は1995年に国連世界女性会議が
中国の北京で開催された際に、会議後、盧溝橋にある...
中国人民抗日戦争記念館を訪れた時のことを思い出した。

あの頃の盧溝橋の町並み、人々の視線、雰囲気、
盧溝橋から見える川原にあえて置かれている当時の錆びた戦車。

中国の新人軍隊の一団が必ず訪れるという記念館の展示写真や遺物は、
わが国の広島の平和祈念資料館と同様、戦争の残忍、残酷さの、
全てではないが事実そのものがそこにある。

ただ見るものが、被害者側と加害者側とでは、
衝撃の中身がこれほど違うのかということ、
当時を知る者と知らない者とでも、
全く違う思いになるであろうことを実感した。

 

また、原爆による虐殺と、陸地での虐殺との違いについても、
震撼した。

でもこれらが戦争の現実であることを冷静にうけとめた。

目を背けずに見ることは、脅威的に苦痛だったけれど。

戦争をしてしまった国々は、あるいは戦争に巻き込まれた国々も、
すべてを隠匿せず、歪曲、脚色せずに、平和のために、
きちんと後世に事実を伝播することは、
最低限の行政の責任であると思う。

 

ただこれは、とても困難なこと。過去の戦争認識については、
現在の政治的動向が作用するからだ。

私はとくに戦時下の女性や子どもがどう扱われてきたか、
また各国の戦後教育を研究してきた。

この視点での戦後教育は、ドイツでさえ、
あのヒトラーの数々のユダヤ人虐殺の奥に潜む、
女性の扱われ方、明確に言えば、とくに性暴力については、
未だに触れられていない。

戦争を知らない世代の人口が、戦争を知る世代の人口を上回る時代。
だからこそ都合よく戦争認識をコントロールしてはならない。

未だにこんな深く長い傷を負わせ、
多くの犠牲者の生命と尊厳を奪った戦争について、
できる限りの事実をしっかりと知らせた上で、
戦争を知らない世代の人たちが、
これからの国際社会の平和を構築することを推進することが大切。


何より、やはり二度と戦争を起こさないために、
各国がまず対話外交に徹するルールが必要です。

とはいえ、軍備拡張の傾向が強まる世界情勢。
恐ろしいテロ集団、ミサイルを飛ばす国、核実験をやめない国…。

やはり武力でしか解決できない、というなら未来永劫
戦争は終わらない。

そんな世界を誰が望むのでしょう。

 

今回の判決で重要なことは、戦争認識は様々であるから、
展示内容についての考え方や経緯は、
きちんと公開していくべきとしたことです。