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ニューヨークの図書館 (NYリポートその3) 8月17日

ニューヨークには公立の図書館が4つあります。

前市長のジュリアーノ市長が、

ニューヨークの治安を向上させるために実施された施策は有名です。

 

  1. 2つの警察組織をうまく改革統合したこと

  2. ゴミの収集を徹底的に行ったこと

  3. 落書き対策を行ったこと

 

そして図書館機能を充実させたことなのです。

 

図書館というと日本では、

たいてい無料の貸本、資料の探索、研究といった感じの

機能だけのイメージがありますが、

世界の発展している都市には、

もっと有機的なそして有能な職員が配置されている

図書館があるのです。

1日中図書館で過ごせるような。

そしてこの不況下、自営業の人たちが

新しいお商売のヒントを得て、

具体的なビジネスを図書館員と構築していったり、

起業したいと思う人は、どんな職種がいいか、

どうすればビジネスとして成り立つか・・など、

実際の起業までのコンセプトの確立や、

具体的な準備など、

本当に有効に使えるのです。

 

たとえば、

わたしのような堺市議会議員が図書館に予約を入れて、

明日、ニューヨークの図書館についての資料が頂きたいです。と言っておくと、

次の日行ってみると

単にパンフレットが揃えられているわけではなく、

まずニューヨーク市の概要や、市議会の構成、

図書館政策の経緯や市議会での議事録、

そして予算、決算、そして現在の図書館の利用者数はもちろんのこと、

ニューヨーク市民のどんな人が、

何を図書館で行っているかという実態をまとめたデータまでそろえられる。

それだけでも足りなかったら、

またそこで質問すれば、ただちに資料をそろえてくれる。

そんな図書館なのです。

 

ですから図書館には役所の人たちも溢れている。

行政に必要な資料は図書館ですぐに入手できるからです。

 

インターネットの時代なので、

インターネットで簡単に情報を入手できるのは事実ですが、

実はインターネットの情報は、単に羅列されているだけで、

ひとつの単語について何万、何十万の情報が掲載されているわけで、

本当に自分の欲しい情報を入手するためには、

結構時間がかかるのです。

これを優秀な図書館員が行うと、

利用者の必要な情報を的確に探し出してくれる。

本当に便利で、助かる図書館なのです。

 

私は、学生時代からよく海外へ行きましたが、

こういう図書館がある町では、

無料で地図ももらえるし、電車やバスの時刻表や、

名所・旧跡のガイド資料や、

博物館、美術館で今行われている展覧会情報や、

安くてきれいで安全なホテルの紹介や、

安くておいしい地元の人たちに人気のレストランも

地図付きで紹介してもらえるし、

わかりにくいイタリア語やドイツ語のメニューも

ちゃんと書いてもらえますし。

それがだらだら時間がかからないのが嬉しいですよね。

観光協会ではなくて図書館でこれが実現します。

 

ですから本来の機能である、本を借りるときも、

特に何かを探求して調べるというときには、

こんな本もある、それならこれもある、あれもある・・

という感じで紹介されるのです。

このようなサービスができるというということは、

市民の文化力、学術力のアップに貢献できるということです。

 

夏休みの自由研究なんかも、

子どもたちは図書館へ行けば、

何をすればいいのかわからなくても、

なにか自分の関心がある分野の研究に行きあたることも

できるということです。

 

ちょっと日本では想像しがたい図書館です。

 

竹山市長とは12日のミチェル・バチェレ事務局長の時に

ご一緒した以外は、お会いしていませんが、

本当は国連代表部にも伺う予定でしたが、

わたしはプーリーさんと話していたのでいけませんでした。

竹山市長はニューヨークの図書館にも視察に行かれると聞いています。

ぜひこのような図書館をつくってほしいですね、堺市にも。

 

竹山市長のニューヨークでの視察日程を見ると、

ほんとに朝から晩まで、だいじょうぶですか?

と思うくらいのタイトなものです。

私の日々もすさまじいものがありますが、

堺であれだけの公務と

地域の盆踊りにも参加されてのこの日程ですから、

タフでないと無理ですね。

 

でも私自身、今回ニューヨークに来てよかったなと思うのは、

電話やメールより、やっぱり顔をみてお互い握手して、

ということが大事だなって。

成功だったなと思うのです。

これからも時間を上手に工面して、

できるだけ動きたいと思います。

 

竹山市長は、西海岸の姉妹都市バークリーにも飛ばれますが、

ひとつひとつ紳士に、真摯に真剣に、

相手の方々と向き合われているのがわかりますし、

堺市のプレゼンスをしっかり強調されていますので、

今回の視察だけでもかなり、

「堺市」の広報戦略は成功されていると思います。

こんな時だからこそ、

外との交流やネットワークを構築することが大事です。

震災復興の支援の輪を広げることにもつながります。

また堺市にどんなチャンスが舞い込んでくるかもしれません。

そんな可能性と、

市長ご自身がどんな堺市をめざすのか、

そのビジョンをより大きく深いものにできると思います。

 

視察というと、

物見遊山のごとく言われる時代ですが、

行くべき人が行ってやるべきことをやるのは、

単なる旅行ではありません。

あきらかに仕事です。

 

「堺から世界へ!」とよく使われるキャッチフレーズも、

発信者が発信先の事情を何も知らないで、

やみくもに「堺はこうや、ああや」といってたって意味がありません。

それこそ無駄が多いだけです。

 

京セラの白いセラミック包丁が人気を博している中に、

堺刃物をどう打ち出すか。

堺市は実にうまくやっています。

でもこれもニューヨークの図書館を利用ずる戦略もありますよ。

 

日本の浦安市立図書館が、

すでにこんな図書館になっています。

そこに常世田先生というキーパーソンがおられます。

図書館プロデューサーです。