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社会教育研究大会 三重大会 第2日目 10月25日

今日は午前9時30分から 分科会です。

6つある分科会の中で、第5分科会を選び、参加しました。

 

事例報告はお二人から。

まず、青森市のアピオあおもり青森県男女共同参画センター

副館長の小山内世喜子さんが、

男女共同参画センターでの取り組みを報告されました。

テーマは

「社会教育は自己実現を図るお手伝い〜自分が変わることで、周りも変わる〜」。

 

ご自身が3人の子どもさんを育て専業主婦をしながら、

なにか自分のなかのもやもやした気持ちを抱えておられ、

ある日、市の社会教育事業に参加したとき、

女性も一人の人間として

自由に自己実現していいんだということに、

気づかれたそうです。

その後、今の仕事に。

 

青森でも小山内さんのようなキーパーソンがおられて、

そういう人たちと行政との協働によって、

男女共同参画社会の実現につながっていく、

これは全国どこでも言えることだと思います。

 

質疑応答が男性ばかりでしたので、

堺市を紹介しながら質問させていただきました。

社会教育におけるジェンダー平等の位置づけについて、

みたいな話です。

 

小山内さんは十分な回答をくださいました。

 

お二人目の事例報告は、

石川県小松市の社会教育委員の山本博之さん。

テーマは、

「職人が知恵と経験を活かして社会貢献〜職人自ら社会貢献に取組み、生きがいづくりに繋げる〜」。

 

小松市にある、

那谷寺(なたでら)の三重塔の杮葺きの葺き替えなどの際、

社会教育委員や子どもたちに見学してもらい職人に語ってもらう、

あるいは昔の杮葺きのところにタイムカプセル的に

自分のメッセージを書きこんだり、

竹釘を打つというのを公募したところ256人の申し込みがあった。

 

見学や体験した子どもたちが、

自分のメッセージを書いた杮が、

実際に三重塔のどこに葺かれたかを覚えていて、

その気持ちが文化財の保護につながる、

職人たちにアンケート調査をすると、

いままでの自分の仕事が

そのまま社会貢献につながっていることを認識できた、

自分の技術を広く市民に知ってもらうことができた、

日本の文化財修理の見識を深めてほしい、

将来一人でも多く職人になってほしい、

物を大切にしてほしい、と答えているとのこと。

 

すばらしいですね。

 

二つの事例報告に関して、

最後に岐阜大学の益川浩一准教授から講評がありました。

 

個々人の間にあるものを高めていく視点が必要、

じゃあ、関係性をつくるためにはどうしたらいいか、

何か一緒にやってみての成功、失敗、共有体験、共同体験が必要。

 

評価について。

評価はむずかしい、数値的にどう評価するか、

その事業のどの点を評価するのか、

人数、講座の数でみる評価をアウトプット評価、

本来はその事業によってどういう変化や効果が表れているのか、

人の変容についてのアウトカムの評価が必要だが、

それは方法論もまだ確立されていない。

事業の対象者を広げることも重要。

当事者を取り巻く人たちをどう変えていくか、

という視点が必要。

参加者が主体的に学びを開拓していく。

社会教育の枠を広げていく、越境していくことが大事。