小舟のような月が 雲に見え隠れする。
毎日、必ず叔母を見舞う。
京都も含めて入院生活60日目。
初めて叔母が、帰ったら寂しいと呟いた。
90年生きて、今の日々。
ありがとう、すみませんの二言の日々。
誰がこんな日々を想像して生きて来ただろうか。
自分で動けない日々を。
毎日、全身をマッサージして、顔の手入れをして
叔母が眠るのを見届けて帰る。
外に出ると月が嗤ってる。
さて家でもうひと仕事。今日はよく書けた。
書き出しさえすれば、止まらない。
夕飯の支度から、食事、そして病院。
3時間半が止まる。
でも 私はここにいる。