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女性の地位、世界135か国中、日本は101位にランクダウン 11月6日

ゆゆしき事態です。

各国の男女共同参画の状況をはかる指数として

ジェンダーギャップ指数がありますが、

2011年度日本は135か国中98位でした。

しかし、10月24日にWEF世界経済フォーラムが発表した

2012年度のジェンダーギャップ指数は

何とさらに昨年より下がって135か国中、

101位にランクダウンして、

これは先進国中最下位と位置付けられてしまいました。


ちなみに1位は4年連続でアイスランド、

 2位はフィンランド、3位ノルウェー、

4位スウェーデン、5位アイルランド、

アジアでは1位はフィリピンで世界ランクは8位。

中国は69位、韓国は108位、

インドは106位になっています。

アメリカは22位。


アフリカ諸国では南アフリカ共和国は16位、

タンザニア46位などとなっています。

リベリアではアフリカ大陸初の女性大統領も登場されています。


ジェンダーギャップ指数は、

ご存じのとおり4つの分野の男女格差を測定しています。

1つ目は、Economic Participation and Opportunity、

経済活動の参加と機会、これは

給与、参加レベル、及び専門職での雇用

2つ目は、Educational  Attainmennt、

教育については、初等教育や高等専門教育への就学。

3つ目はHealth and Survival 健康と生存、

これは寿命と男女比。

4つ目は、Political Empowerment 政治参画では、

いわゆる国会議員の女性の割合や、

企業など意思決定機関における女性の割合などが測定されます。

この4分野において日本は世界101位、ということですから、

いかに政治や経済への女性の参画が少ないか、

役員や管理職などにほとんど女性が就任していないか

これは今の内閣を見ても明らかですが、

女性大臣は一人しかいませんし、

昨年12月時点で衆参合わせて

国会議員721人中、女性議員は97人で、

13,5%しかいません。


さて。日本がジェンダーギャップ指数の

世界ランクが低い背景には、

男女共同参画に関する伝統や慣習の中で

形成されてきた根強い、

男尊女卑の意識や男女の役割の固定といった

儒教思想をバックグラウウドとした

文化的社会的意識や風土があります。

このような歴史的封建社会の中で、

女性は長い間男性と同等の教育を受ける権利や

外で働く労働の権利を与えられませんでした。

また女性を男性の所有物、

もしくは何段も下の存在という意識から、

女性に対する暴力もいまだに横行しています。

女性の3人に一人が何らかの暴力を受けたことがあると

 答えているデータが示されています。


内閣府の資料にもありますが、

家事育児に関しても日本の男性は

世界的にかかわる時間数が最低の水準です。

これは共働きで妻が働いている家庭でも、

妻が無業の場合でもほぼ同じ割合です。


日本においては、

女性が担うものとされてきた、家事、育児、

また超高齢社会を迎えて介護や看護も含めた、

経済用語でいういわゆる再生産労働は、無償労働であり、

そのことが女性の地位を相変わらず低位なものに

固定するという悪循環となっています。

労働においても大半の女性がパートタイマーであり、

税制上のからみから年間130万円の壁があり、

能力や働く意欲があっても、

思う存分働けない状況です。


しかしながら若い世代は、

まず女性の大学進学が48,5%と、

 昨年過去最高を記録しました。

最近の女性は、

 結婚や出産にかかわらず一生仕事をしたい

という希望をもつ人が増えてきています。


厚労省の人口推計を見ても、

これからのわが国は、

女性もどんどん社会に出て働かなければ

国の経済が立ち行かなくなることは明白です。


私は UN WOMENの日本事務所を

日本の堺市に誘致してきました。

このような女性の地位が低い国だからこそ、

誘致してきたのです。


UN WOMENはWEPs、

Women’s Emposerment Principleという

取り組みを行っており、

これは経済活動に女性の参画を進め、

女性をエンパワメントすることはビジネス成功の鍵、

来月、UN WOMENの事務局長の

ミチェル・バチェレ事務局長が来日されますが。

前チリ大統領であったバチェレ事務局長は、

次のように言っています。


女性のチカラこそ未開発の最高の資源である、と。


女性のチカラを活用することによって、経済を再生し、

しかしながら、従来のような日本の男性の働き方ではなく、

ワークライフバランスのとれた、

人間として豊かな人生を送ろうというメッセージを

発信しています。


これを受けて内閣府では、

先般WEPsの推進と共に、

働くなでしこ大作戦と名付けられた

女性の経済参画への行動計画をつくりました。


3つの重点項目があり、

1つ目は まず男性が意識を変えること。

2、ポジティヴアクションを行うこと

3、まず、公務員から取り組むこと


そして年内には工程を作成し、

日本の経済再生戦略に位置付けるというものです。

ある意味、

今の日本の政治が保守的な傾向を帯びている中にあっても、

国がぶれずに政策としてしっかりと

女性のエンパワメントを推進されていることは、

心強いことです。


堺は、与謝野晶子という世界的に有名な歌人であり、

女性解放と平和の強い意識をもった

女性が生まれた町です。


山の動く日来るは有名ですが、

女性に光あれ、という言葉を胸にこれからも、

GGIの世界ランキングの挽回をめざしていくことを

堺から発信し続けたいものです。