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ぶり大根 12月6日

ぶりも脂がのり、
お大根も大きくなる季節の料理ですね。

ひとりほんとにお料理の上手な女性がいます。
絶妙の味付け、栄養のバランス、美しい盛り合わせ。

ぶり大根いただきました。

この大根の炊き具合、ぶりの身のしまり具合、
味のしみ具合、そして生姜の千切りと
大根の葉っぱのいろどりと歯ごたえ・・・・。

最高ですね。

この女性の人生を、
時々聞かせていただきながら、
苦労やいじめに負けることなく、
 人知れず泣きながらも、
子どもさんを育て上げ、
努力し続けてこられた生き方に脱帽、です。

彼女の人生の悲劇は、
まさに日本の家父長制によるもの、
と言えると思います。

ヨメという字は女へんに家と書きますが、
昔の嫁には人格は認められず、
まさに耕うん機か
子ども(しかも男子が望まれた)を産む装置の扱い。
1円のお金も持たされず、預けられず・・。

ああ、それでも我慢して我慢して、
がん張りつづけた女性。

「子どもがいなければ、とっくに飛び出していました」

そんな女性は山ほどいるなあ、今でも・・・。

かみしめて、
苦労とそれでも希望を捨てずに料理を学んだ
この女性のぶり大根をいただきます。
ああ、あったかい。そして抜群においしい・・。
愛情のこもっているお料理は五臓六腑にしみわたり、
私の体を元気にしてくれる。

そして何より私の心を心をあたためてくれました。

「典子さん、私、もうそろそろ仕事をやめて、
女性センターのあの大学でなにか勉強しようと思うんです。
もう子どもも大きくなったし、
新しい生きがい見つけて自分のために生きてみたい」と。

70代になろうかという女性の言葉に、
思わず目を見つめると、
少女のようにきらきらと輝く瞳。

樋口恵子先生が、
文科省の板東高等教育局長と、
あらたな超高齢社会に必要な生涯学習の分野での
教育プログラムの創設を考えているとおっしゃっていました。

そんなことを思い出しながら、
「これからは、どうぞお好きなことをなさって、
それが社会貢献につながるともっといいですね」
と、申し上げますと

「わたしでもできるかな」
とはにかむ女性。

「もちろんです。お母さんなら絶対できます!
おいしかったです。ごちそうさまでした。」