友人のお母さんが危篤・・。
夏ごろから、お見舞いに行きそびれていた。
病院の手配をするのが精いっぱいだった。
お母さんがみかんを喜んで食べると言っていたので、
ミカンを持っていった。
酸素マスクをつけられていましたが、
意識は回復されておられ、
手を握るとあったかかったので安心しました。
持って行ったみかんを取り出して、
必ず召し上がってくださいと話しかけると、
しっかりと私の顔を見つめながら、
うんうんとうなずいてくださいました。
私の母が病床にいたときのことを思い出します。
母が私に言いました。
「順番やからこれでいい。順番が狂って、子どもや孫が親より先に逝くことは、人間にとって一番悲しいことや。人間にとってそれ以上の不幸はない・・。これでいいんや・・。」
と死期が近付いている自分自身に言い聞かせるように、
かるくうなずきながらぽつぽつと言いました。
私は涙をこらえながらも、母のこの言葉を聞いて以来、
大切な子どもや孫を失った人の思いに寄り添えるようになりました。
本当に人間って弱い生きものです。
大切な人が病気で苦しんでいても、何もしてあげられない。助けられない。
お医者さんに頼るしかない。神さまに頼むしかない。
それでも生きていかなきゃならない。
仕事もしなきゃならない。
自分の子どもなら本当に変われるものなら変わってやりたいと思うでしょう。
母の時でも、時間が止まってくれることを切望しました。
昨日女性創作展で、
大泉女性団体さんの手作りの祝箸を買ってくださったひと。
子どもさんがいま病魔と闘っている。
箸袋には「みんなに守られて・・」と書いてあるもの。
「これ買いました」とおっしゃって思わず涙。私も涙して背中をさすった。
こらえてこらえて日々を生きておられるのがわかるから。
でも希望を持って、生きているから。
わたしも、その子どもさんのために祈っています。
必ず治って、と。
つらすぎる日々を分かち合いたいと思います。
そっと寄り添うしかできないけど、
おもいのある寄り添いは必ずその人の命を強くすると信じています。
忘れることなく寄り添うのが「絆」です。