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はつしば学園小学校公開授業の巻 2月16日

実は、小学生二人の子どもは

2年前にはつしば学園小学校に転校しました。

以前は別の私立小学校に通っていましたが、

学校の教育方針が突然に大きく転換されたため

転校を決意しました。

 

 


私のように忙しく、

あまりできのよくない母親にとっては、

学校での授業や先生方が

どのくらい子どもをきちんとみていただけるか、

というポイントがとても重要です。

 

廊下に貼ってある子どもたちの解説図。

 

廊下に置かれていて誰でも触れる人骨模型。


一番上の娘を公立の小学校に通わせた結果、

また市議会等でもかなり突っ込んだ質問や改善も求めましたが、

下の二人をわざわざ私立の小学校に通わせるというのは、

自分にとっても子どもにとっても

さまざまな点において苦渋の決断でした。


けれども教育改善や教員の資質向上などは

一朝一夕にできるものではなく、

けれどもあっという間に子どもたちは成長していきます。

こどもにどのような教育環境をつくるかは、

親として熟考と決断が必要でした。


家の前に公立の小学校があるのに

わざわざ私立に通わせるというのも本当に皮肉なものです。

さらにその私立を転校しなければならないというのも大変でした。


でも今の学校に転校してよかったと感謝しています。

今日の公開授業も素晴らしい取り組みです。


今のはつしば学園は、

校長先生を筆頭に優秀な先生方がおられ、

とくに日々の授業の研究はすさまじい、

と言っても過言ではありません。


写真のように教室は本当にどのクラスも、

きちんと整理され、黒板も上下の可動式。

子どもたちが書くときは、低く、

先生が指導される時はみんなに見えるように高くなるのです。

またどのクラスにも広辞苑、

日本語大辞典図鑑などが数冊ずつおかれていて、

授業中子どもたちは、自由に利用できます。

 

先生の説明の時は黒板が上に。

 

黒板はここまで下がります

 


みごとな整理整頓

 

こちらもきっちり


学級崩壊のような状況は全くなく、

当たり前のことですが、

子どもたちは授業に真剣に取り組んでいます。


先生の教卓は、低い配膳台で、

先生方は子どもたちと同じ高さの

目線のところで話をしておられます。

展示物も一つの乱れもなく、

きちんと気持ちよく子どもたちの作品が並べられています。

 

雑巾の干し方もきっちり


小山校長先生は、

もともと堺市教育委員会におられましたし、

堺市の小学校の校長でいらっしゃいました。

その頃から、

とにかく子ども中心の教育を熱心に考えておられ、

実行されていました。


この学校での授業は、先生方の実力が如実にわかります。

先生の能力が高くなければできない授業を実践しています。


子どもたちが静かなだけではなく、

本当に楽しんで力をつけられるか。

この2年間お世話になって現時点で言えることは、

相当欧米並みの「考える力」「話す力」「書く力」を

つけていただいているということ。

 


単に文科省の学習指導要領のカリキュラムをこなすだけではなく、

先生方は授業の準備に相当なエネルギーと

時間を使っておられるのがよくわかります。


今日の公開授業には堺市教育委員会をはじめ

堺市内外の学校の先生方が約100人近く来られていました。

 

大勢の先生が参加


学校に入ると出会う先生方や職員の方々が、

車の誘導をされる担当の方々からすべて、

笑顔で「お越しいただいてありがとうございます」と、

感じよくご挨拶をされ、

来場者へのホスピタリティーが感じられました。

学校全体として努力されている姿勢が、

よく伝わってきました。


また校内に入るのに、

シューズカバーが受付で配布され、

いちいちスリッパに履き替える必要もなく助かりました。


フィンランドの子どもたちの学力は世界一ですが、

授業時間は日本の3分の2くらいです。

何が違うかと言えば、「授業の中身」です。


はつしば学園は、

 そのことにすでに気が付いておられます。

暗記中心の受験勉強、

高度な算数や理科の問題を解くことができて、

目前の進学のための偏差値が高くても、

世界に通用する人間になれるかどうかは別です。


親も学校や塾の成績ばかり気にして、

自分の子どもを総合的にきちんとみていないと

 せっかくの学力も、

あまり意味のないものになってしまうと思います。

欧米では、

小学校1年生からプレゼンテーションや討論の練習をします。

自分で考え、自分でリサーチし、

 自分の意見をきちんと整理して、多くの人に伝え、

 理解され、説得する練習。

また相手の意見を聴き、話し合う姿勢、合意形成の方法、

意見が違う人とも仲良く付き合うことの必要性を学ぶのです。

はつしば学園は、

このような授業を意識的に実施しています。

これは親としては感動しました。

 

子どもたちの討論会


欧米では、

大学に進学しても、入学時の専攻を適宜、

変更できるフレキシブルなシステムになっています。

ということは、学びながら自分のしたいこと、

自分に向いているかいないか、

また職業として成り立つ研究かどうかなどを

いつでもよく考えることができるシステムになっているのです。

しかも北欧などは教育費がほとんど無料ですから、

生涯自分のスキルアップを図れるのです。


日本の教育との決定的なちがいは、

「なんのために学ぶか」という目的が明確にあるということです。

自分自身の意思決定によって学び、

自分の人生を開拓していけるということです。


日本の教育が行き詰まりを見せている中で、

はつしば学園は未来型の授業を研究する努力を行っておられます。

進学のためだけではない、

本当の意味で人間としての「生きる力」を身につけさせる努力が、

行われています。


このことは私立、公立に関わらず、

本来の教育機関の姿であると思います。

大人にとっては試行錯誤の時期であっても、

子どもたちには取り返しのつかない日々なのです。

その時その時の最善の教育を与えてやってほしいと願うのは、

当たり前です。


一人ひとりの先生が持っている力を

最大限に発揮してもらうようにしたい、

と小山校長先生はおっしゃっていました。

小学校はとくに、

一人の担任の先生が多くの教科を担当します。

どんな先生のクラスになるかで、

子どもたちの学ぶ姿勢や将来は大きく変わります。


先生方のますますのご研鑽に期待します。

また親として何をなすべきかも、

しっかりと考え努力していきたいと思います。

公開授業に参加されていた多くの先生方の真剣なまなざしに、

堺の教育は今後もっとよくなると確信しました。