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夏休みの非日常な美

夫のふるさとは高知県。高知と言えば、

南国土佐と言われペギー葉山さんの大ヒットソングを思い出し、

温かなイメージがあるけれど。


夫のふるさとは旧窪川町、現四万十町。

標高250mの四万十川上流にある町。霧の町と言われ、さらには高知のチベットと言われるくらい、冬は凍る。

燦々と太陽がきらめき、真っ青な太平洋のイメージとはちがうのだ。

 

日本最後の清流と言われる四万十川上流は、その昔平家の落人がひそかに暮らした地域と言われ、山と川と田んぼに囲まれた田舎ではあるが、住む人々にはなんとなく物静かな雰囲気がり、暮らしはおだやかである。

生姜の生産量は日本一であるし、清流の水で作られる米や酒もなかなかうまい。

親せきはニラやブルーベリーをつくり、夫の実家は四万十百合を生産している。

 

高知は台風の直撃を受けるところなので、作物の被害が多いのも頭痛の種だけれど。休みの日には川釣りや海釣りも楽しめるし、四万十川のもっと上流には温泉もある。

私はなにより、あの太平洋の水平線が丸く見えるのを楽しみにしている。松葉川温泉に向かう夕暮れの木立の隙間から見える四万十川のゆったりとした水面を見るのが大好きである。

夏休みに、孫の顔を見せに帰省するのだが、子どもたちは興津の遠浅の海で毎日泳ぐのが楽しみであるし、海釣りも大好きである。

家の前の水路の石をひっくりかえせば沢蟹もいる。

堺の日常にはない体験ができる。カブトムシもクワガタもいる。

 

大岐の浜は美しく、波は高いがほれぼれするような浜。

自然の美を堪能できる高知である。

 

昔は堺の浜も白砂青松だったという。

夏休みの非日常の美が楽しめるのも幸せなことだけれど、

感慨深いものがある。

 

夏休み