高知に善子さんという人がいる。
彼女はわたしが尊敬する女性の一人である。 とにかくきちんと生きている人。 私が「こんな生き方、こんな暮らし方をしたい!」という
あこがれの生活を実行して楽しんでいる人。
まず料理がうまい。つくること、食べることを大切にしてしかもおいしい。 高知の特産物である琉球の酢の物、酢、塩の加減もばっちり。ちょっとシソの葉を刻んだり、茗荷を刻んだり小粋なわざで味を締める。 シフォンケーキはプロ並み。あのしっとり加減が妙味。夏に帰省すると8月生まれの私のバースデイケーキをつくってくれる。ミントの葉っぱを散らして、それはそれは美しいケーキである。嬉しくて涙が出るほどだ。 大きな栗の渋皮煮も、こんな手間のかかるものを本当に上手に作ってくれる。 正直なところ、栗の渋皮煮のこんなに大きいのは生まれて初めて食べた。
京都の大原に暮らすベニシアさんは今や有名だが、いわば彼女の高知版だ。 花や植物を愛で、写真にとって上手にDVDや絵葉書にしたり。生活そのものがほんとにナチュラル・エコなひと。生き方もナチュラルで研究熱心。 音楽の趣味も実は似ていて、話しているときりがない。 いつも思うのは、こんな人と一緒に暮らしたら、健康的だし生活がゆたかになるだろうなあと。
京都のベニシアさんよりはるかに若い善子さんだが、彼女のなによりの魅力は笑いが絶えないこと。ささやかなことに感謝し、幸せを見出す能力がある。 そんな、高知のベニシアさんにひそかに憧れているのは、私だけではないかもしれない。
今後、彼女の絶品料理の写真やレシピをご紹介したい。
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