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安野光雅さんの絵本と明日香村 11月8日

先日、奈良県立万葉文化館に行ったときに、

何冊か本を買いました。 

子どもたちもそれぞれに本を選んでいましたが、

安野光雅さんのこの絵本は奈良三山である、

畝傍山(うねびやま)、耳成山(みみなしやま)、天香具山(あまのかぐやま)が表紙になっていて、

中をみると、この明日香村の風景がそのまま描かれていて、

スケッチの素朴さにひかれました。
彼の作品集は、色々持っていますが、

安野光雅さんが、こんなにも明日香村を描いておられるなんて、

不思議な気がしました。

家であとがきを読んでみると、

何という山なのか、ここが明日香村のどこなのか、
まったくわからないまま描いた・・・と。


安野さんの絵に、

その場所の地理、歴史、万葉のことが丁寧に記されているのですが

それは、安野さんを支えている方々によって

そういう仕上がりになっているけれど、
実際には安野さんは、

とにかく自然の中で描いていれば満足だったし、

描いている時の充足した気持ちを伝えたかったと。

まわりの方がたのおかげで、

自分は明日香の風の中で呼吸をしていただけです・・。と。
安野さんは、その状況を「福のありがたさ」と表現されて、

感謝の思いを述べておられます。

ふーん。

とにかく、あっ、ここで描こう、あの山を描きたい・・

そんな感じで描かれた風景なんだなあ、

とあらためて絵をみてみると、

なんだか画家が満ち足りた笑顔で
明日香の自然の中で絵筆をすべらせる姿が浮かんできますね。

家の子どもたちにも、

ここへ行ったよね、ここ見たよね、と巻末の地図と見比べて
天香具山が百人一首に出てくるし、

山に見えないほど低くなだらかだったことを
話していました。