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日本女子相撲連盟 顧問のお仕事 3月25日

昨夕、Uさんが自宅を訪ねてきてくださいました。
わざわざ高倉台からとのこと。

もともと梅北町におられたので、

散髪屋さんに寄ったついでに、とおっしゃっていましたが、

日本女子相撲連盟、顧問の名刺ができましたと、
わざわざ届けてくださいました。

日本女子相撲連盟の総会が今月10日に東京でありましたが、

男女共同参画の大きな事業が女性センターで開催されていましたので、

出席が叶いませんでした。
総会の資料は郵送で送られてきましたが、

今年の全日本女子相撲大会や、

国際大会のスケジュールなど活発な様子がわかります。
また、日本女子相撲連盟は、

日本相撲連盟の中に位置づいていることも分かりました。

さてこの日本女子相撲連盟の顧問としての仕事について、

清水会長にお伺いしますと、 

できれば堺市の大浜で、いまは5年に一度だが隔年くらいに

東京の国技館と交代で全国大会を行いたい、という希望が一つ。
さらに、相撲を国体やオリンピックの種目にしたいが、

そのためには男女共の種目でないといけない。

その尽力をしている、ということです。

今年の国際大会は香港で開催される予定だが、

万一他国の事情で急きょ開催ができない場合、

日本で、ということになっても国技館は女人禁制なので使えない。

そうなると海外の選手が日本に来る場合、

空港に近くて、宿泊施設も近くにあり、

相撲場も整っているという条件を満たす場所の筆頭は堺市である、

ということ。

ここに堺のもつ歴史のオリジナリティーがありますね、


日本の国技館が女人禁制であるために、

日本青年会議所が主催する、

ちびっこ相撲の全国大会の決勝戦が国技館で開催される際、

各都道府県で勝ち抜いてきた女子が、

常に決勝戦に出場できないという、

明らかな「差別」が行われていることは事実です。
ここが日本の相撲が「スポーツ」になれないアキレス腱です。

もともと大相撲も女子相撲も「興行」、つまりショーであり、

スポーツではありませんでした。

でも現在は学生相撲や女子相撲も、

選手はみんなスポーツとして相撲にいそしんでいます。

わたしはかつて、

母の遺言でもある女性の土俵入りについて、議会で発言し、

堺市長から日本相撲連盟に申し入れをしていただいたことがあります。
もちろん女性団体としても、改善を求めてきたところです。
でも答えは「伝統だから」のひとこと。

いつからそんな伝統があるのかご存じなんでしょうか。

ちょうど大阪府の知事が大田知事の時、

大相撲の大阪場所での知事杯について調べると、

私たちの税金から、

当時で約500万円の知事杯を毎年優勝者に渡すのですが、

知事が女性であるから、

副知事が授与しに行くというおかしなことになりました。
私たちが抗議したのは、その時です。
当時日本相撲協会のであった、脚本家の内館牧子さんは、

わざわざそのことについて本を出版しました。

要は「何でもかんでも男女共同参画というな、歴史と伝統を尊重せよ!」
という話です。

ミスコンの時もそうでしたが、

税金で若いきれいな女性の品定めをして人間の美にランク付けをする、

お遊び的「女性の人権侵害事業」に反対しました。

一方で大相撲の世界では、なぜ女性が土俵に上がれないか、

その理由は「女性はけがれているから」というものです。

「女性がけがれているとする伝統」です。

そんな伝統を踏襲する日本相撲協会が、

この間、力士の八百長事件や、親方の暴力殺人事件や、

暴力団との密接な関係があからさまになり、

場所を開催できない事態にまでなったことは記憶に新しいことです。

国技と言いながらも、外国の力士が多勢を占め、

日本の若い力士が減数している現状も、

この「伝統」と無縁ではありません。

私は相撲が大好きです。だから戦う。

こんな科学的根拠のない「穢れ」という考え方は大きな人権侵害行為です。
被差別部落の問題も原点は「穢れ」の思想です。

女性がけがれているのはなぜか、と問うと

月経や出産のいわゆる「血」が穢れているというのですから、

とんでもない話です。

相撲の力士も男性も、じゃあどこから生まれてくるのですか、

その月経や出産がなければ生まれてこないはずです。
自分の出生を穢れているというようなものではないですか。

だからまったくそんな「伝統」なんて居丈高に叫んでも、

ちゃんと調べれば何の根拠もない。

自分に唾を吐いているようなものです。

こんな女性の人権を軽蔑し、

穢れとするようなことを平然と続けている団体や企業や自治体は、

必ずと言っていいほど、

まず、金銭や暴力事象によるトラブルを抱えています。
ミスコンの全国調査をしたときに、実感しました。
なぜかと考えてみると、簡単なことです。

女性の人権を侵害するようなところは男性も人間扱いされません。

要は人間を大切にできない人権意識の低いところでは、

拝金主義が横行し、当然、さまざまな形の暴力が容認されるからです。
日本相撲協会もその例にもれなかったということです。

人権の前には「伝統」なんていう言葉は、

それが悪しき伝統である場合には「天下の宝刀」にはなりません。

国技館が日本相撲協会だけのものであるなら、

そこに税金を投入する必要はありません。
税金を投入する以上は、

一定の人権問題の解決の目的がない限り、

女性も男性も誰もが利用でき、

誰の人権も侵害しないという最低限のルールは守らせるべきです。

事実、これからは女性の首長ももっと増えてくる。
そんな中で、「女性だから土俵に上がるな」というなら、

女性の首長の「杯」は辞退すべきですし、

今さらいうのも口惜しいですが、

なんで太田知事は戦わなかったのか、と思いますね。

日本の相撲が、これから堂々と世界のスポーツとして発展し、

オリンピックの種目になるためには、

こんなあたりまえの、

ささやかな男女共同参画という改善をすれば済むことです。
私は日本の相撲の歴史とよき伝統を守りたいし、

相撲の発展を願うからこそ、こう思います。