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すごい教授  李節子 4月12日

映画スターのような名前。
学術の世界で、彼女ほどカッコいい!
と思える女性は稀有な存在である。

何がカッコいいって、
とにかくその道において、つまり専門分野での研究の実力、
テーマ設定も含めて包括する分野は広く、深い。
まず本業においてのエキスパートである。

学者や研究者と呼ばれる先生方は、
皆さんそれぞれに専門分野においての
 オーソリティーであるのは間違いないけれど、
ときどき至極アンバランスな人、
難しいことをさらに難しい言葉で表現するから、
学生や素人にはわかりにくかったり、
賢げに見えて、中身が、だからなんなの?
というのもあったり。

たとえば多くの市民や学生を前に
シンポジウムなどを行うとき、
割り当ての時間を平気でオーバーし続けたり、
他人の発言中に無断介入したり、
これは研究者でなくてもよく見かけます。

だけど李節子教授はちがう。
彼女と初めて出会ったのは、
南アフリカ大使館の女性の人権セミナー。
私も講師として招かれていましたが、
李節子教授は持ち時間5分を、
 ぴっちり5分で見事に在日外国人の母子保健についての課題と
今後についてご自身の調査結果を発表されたうえで、
提言を完結されました。すごかった。
こんな貴重なデータを公表していいのですか?
という感動にふるえました。

話しかけてみると、明るい。
しかもバリバリの大阪弁。
一挙に打ち解けてしまうのも自然なこと。

一歳年上の李教授。
出会いが嬉しかったですね。
とうてい追いつけない頭脳明晰、明朗活発、ど根性、
そして優しさ。

李教授から1冊のご著書が送られてきました。

医歯薬出版。
父の診察室に多々ある医学書も確か医歯薬出版。
医学界の超老舗から出版されているこの本。

一見、子ども向けと見えるような軟派な装丁。
しかし、これは明らかに李教授の革命。

すごいことをあくまでもソフトタッチで
軟派風に仕上げているのである。
しかし、ハンパじゃない。
これから修士論文や博士論文を書こうという
私のような研究生にとっても、研究者にとっても、
人間のイロハからスタートする恐るべきテキストである。

そして日本の学術界において、
ありそうでなかったテキストなのだ。
「看護研究こころえ帳」とあるけれど、
看護関係者だけではない、
すべての研究者に通じる「こころえ帳」だ。
先日、日本大学大学院のオリエンテーションで、
日本学術会議の研究者としての声明文があったけれど、
この1冊は、体裁や体面よりも中身重視。
李教授の日本の学術界への、愛情たっぷりの力作だ。

なんといってもわかりやすい内容がすごい。
幅広く「研究者」たるものがどんなものなのかを教えてくれる。

そしてそれは、人間たるものはなんたるか、を示している。

学ぶ人にも教える人にも必読書、と言えます。

ありがたいなあ、グッタイミングだなあ。
助かります。しっかり勉強します。

憧れの李教授、ありがとうございました。

ヴォルテージの高い人です。感謝して。