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春の喜び、心からの尊敬と感謝と共に

世の中にはほんとに料理の上手い人がいる。
不思議なことだが、料理やお茶の味には、

その方の生き方やお人柄、カンの鋭さ、感性や人情味までが味に出るようだ。

春はいいなぁ。

春キャベツ、筍、新じゃが、新玉ねぎ、梅にらっきょう、木の芽、つわぶき、

若ごぼう、わらび、ぜんまい、ほたるいか、いかなご、鰆・・・
野菜も魚も貝類もいきいきしている。
これらの旬の恵みをさらに旨いもんに仕上げる達人がいる。

松浦さんの「いかなごの釘煮」はどこの専門店のよりもおいしい。
ノーマルな砂糖醤油煮、山椒煮、オレンジ煮の3種。

どれも柔らかいが煮崩れしていない。抜群の味わい。

一見静かな松浦さんが極められた味はいかなごも喜んでいるに違いない、

と思うほどです。

西田さんの「筍のたいたん」は上等の鰹節で土佐煮風だが、

上品でしかもしっかりと味がついており、柔らかい。

器も味のうちと、とってもきれいな古伊万里の鉢にどドンとたっぷり。

新鮮な木の芽が散らされ、さわやかな風味が広がり、味がしまる。

いつもシャキッと背筋がのびておられる

西田さんの優しさが感じられるすてきな味。

筒井先生の「筍のちらしずし」は、

ご自宅のお庭の山で採れる筍でつくってくださる。

昆布でしめた鯛とやわらかな鰻が美しい錦糸卵の上に並んで

海老までのせられた贅沢なちらしずし。お酢加減、塩加減上々の逸品です。
筒井先生は女性団体の大先輩。今年卆寿をお迎えになられます。
戦後間もないころの女性団体では、

マーマレードや梅ジャムなどを講習会で作られたとのこと。

筍の初もんはいつも筒井先生のお山の筍。

すみずみまで心の行き届いた完成された味わいです。

桶口さんの「つわぶきの煮いたん」
あくの強いつわぶきをわざわざ和歌山まで取りに行かれて、

ていねいにあく抜きをされてから、薄めの味付けでしっかりと煮てある。

口の中で、これぞつわぶき、これぞ春!とつわぶきのワンマンショー。

ちょっとほかの季節では味わえない春だけの味が愛おしい。

桶口さんはお裁縫もお上手な器用なお人です。

今は亡き杉野妙子さんの「梅干しとらっきょう」
毎年、夫様の運転する車で、大きな味付け海苔の瓶に、

満タンの梅干しとらっきょうを届けてくださいました。

今でも我が家の常備食で大切にしています。
梅のシソづけ、らっきょうの甘酢づけは絶品です。

防腐剤も一切なしのこの味を知っていると、

近頃の人工的な梅干しやらっきょうが、ちいともなじめなくて。

今は亡きお二人を懐かしく思い出すばかりです。合掌の味です。

西尾会長さんの「紅ショウガ」は、

日本女性会議2009さかいで、

ご一緒に実行委員会の委員をさせていただいた時にいただきました。
もちろんシソでつけられた逸品。

塩の加減が絶妙で、少しずついただいてきましたが、

更生保護女性会のお仕事をなさってらっしゃるのに、

いつこんなおいしいものを作られるのか、

頭の下がるおいしい味わいです。色もとってもきれいです。